2013年8月11日日曜日

久しぶりのできごと

久しぶりに飛行機に乗った。

学会に参加するのも久しぶりだった。福岡も、久しぶり。

学会でポスター発表する後輩の応援
。ポスターの前でそれなりの時間、説明をし、夜は1時過ぎまで飲んだ。気ままに気に入った発表を聴き、夜はホテルでゆっくり小説でも読もうと目論んでいたのだが、そうはいかなかった。

久しぶりの飛行機は、飛行機に乗れる喜びがある一方、窮屈で不快な思いもした。スーツを着て飛行機に乗っているだけである種の緊張感がある。特に外の景色を見たいわけでもないので、通路側を希望したのだが、行きは通路側ではなかった。窮屈である。二時間弱で福岡に着いてしまうのだから、我慢はしよう。

飛行機の乗り降りには毎回考えさせられる。プレミアム会員の優先、ビジネスクラスに悠々と座っている人々、降りるときにもエコノミーは待たされる。勝ち組負け組を嫌でも意識させられる。あちら側の人間になりたいものだ。

飛行機に乗るたびにバイトを思い出す。適当にやってしまったことを少し後悔する。そして、彼女たちはスチュワーデスにはなれなかっただろうなと思う。

今回は行きも帰りも『貧しき人々』を読み、改めて、ドストエフスキーは面白いと思った。

読書の合間に、学会について漠然と、あれこれ考えた。全く人が来なかったら困るなとか、知り合いは来ているのだろうかとか、ミキサーで他の会社の人と知り合えるだろうかとか。

気を抜くと食べ物のことを考え始める。やはり博多ラーメンは食べておきたいなとか、ご当地ものを食べにいくぞとか、お土産は通りもんとカステラかぁとか。

あっという間に福岡に着いた。

空港に着くと、前回来た出張のことを思い出す。前回はタクシーで移動したが今回は地下鉄だ。福岡空港は市街地に近いのだが、今回は小倉へ行かねばならず、そのメリットはあまりなく、北九州空港でも良かったくらいだ。

帰りの飛行機は乗るまでに一時間位時間を潰さなければならなかったので、ラウンジへ。後輩と二人で入ったのだが、ついうとうとしてしまい、後輩に起こされた。行きもラウンジへいったのだが、満席状態で、あまり時間も無かったのでコーヒーを残すはめになった。お土産をあれこれ買い、リクエストのあったカステラも忘れずに買い、無事帰途に。

帰りは仕事の緊張感から解放され、むしろ妻の機嫌ばかり気になっていた。つわりの妻には申し訳ないが、約二時間の読書時間は非常に有意義だった。せめてもの埋め合わせに、記念日のレストランの予約だけは済ませておかなければなと思った。

読書が終わると、Marilyn Mansonの『Holy Wood』を聴いた。このアルバムを最後にこのバンドの最新アルバムをリアルタイムで聴かなくなった、そういうアルバムだ。聴き返してみても、次には期待できないなという感じが凄くする。だが、このアルバム自体は全然悪くない。むしろ力作である。ただ、三部作の最後としてこのアルバムを聴くと、次に何も始まりそうな気がしないのだ。

一日ぶりの羽田はこれまでの日常の続きにあった。それは新たな始まりではないし、何かが新たに始まる予感はほとんどない。ただ、確かな圧倒的な継続性がそこにはあり、それは、Marilyn Mansonが持ちえなかったある種の期待を含んでいるに違いない。




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